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2個目のブログ。

桐谷ヨウのセカンドブログ。お気に入りのモノを紹介したりします。

巷の『ロジカル・シンキング本』では得られない論理力を身につける方法 〜三角ロジックと帰納的トレーニング〜

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いきなりですが質問です。

「向井理はモテる」ことを"論理的に"主張してください。

真面目に考えた人は回答することが難しいことに気づくと思う。論理的ってなんだろう?ここでひとつのガイドラインを提示しようと思う。それは論理力を身につける上で避けられない「三角ロジック」という概念だ。


それは「クレーム、リーズン、ワラント」で出来ている。日本語にすると「主張、理由、根拠」となる。これらは三位一体として分かち難いものであり、これを定着させられないことには論理的な思考というのはありえない。

稀に意識をしなくても出来ている人がいるが、それはその人が無意識下でこれを行っているだけだ。この法則にそぐわないときに、きっとその人は"感覚的に"「おかしい」と感じている。つまり、この概念はロジカル・シンキングを備えた人が共通項として持っているフレームワークなのだ。

三角ロジックに関してはあらゆるところで書かれているので聞いたことがある人もいるかもしれない。ただ、自分はそういったものを見ても微妙に理解できなかったし、論理性を身につけた現在となってはこのような図で解釈するのが理解しやすいと感じている。

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三角ロジックは正三角形ではない。俺の感覚ではいびつな直角三角形だ。まず、主張があり、その下に理由があり、根拠がある。はじめての人はきっと理由と根拠の差に戸惑う。

ここで冒頭の質問に戻ると、俺はこう主張します。

主張:「向井理はモテる」、理由:「ananの抱かれたい芸能人ランキング1位である」、根拠:「ananの抱かれたい芸能人ランキングは日本において権威のある多くの女が認めるリサーチである」といった感じ。

ちなみに現実的にananが信憑性のあるリサーチかはひとまず問題ではない。また、これだけが唯一の解ではない。

重要なことはそれぞれの機能(function)に着目するということ。根拠が理由の信憑性をサポートし、根拠があることにより(=根拠が"前提"となり)主張が主張の体をなしていること。

反面、よくある日本人の主張はこういった感じ。「向井くんはカッコイイからモテる」「向井くんは人気があるからモテる」。カッコイイことがー、人気があることがー"モテる"という前提が全く、ない。 つまり、「カッコイイからカッコイイ」もしくは、「モテるからモテる」と言っているのと同じことをやってしまっているのだ。

同様に、「UFOは存在する」「なぜならボブがそれを見たから」「ボブは世界で五指に入る正直者だ」のような三角ロジックも成立している。例えばこの根拠が「ボブは超能力者である」とすれば、成立しない。理由をサポートする根拠になり得ていないし、主張に帰っていく前提ではないからだ。

このように、ミクロレベルのロジックにおいては、「根拠」と「主張」「理由」の結びつきを徹底的に強く意識してみてほしい。現実世界においては、ワラントは省略されているので意識しないことには水面下に潜ったままなのだ。これを意識しないことにはあなたは「先に主張を言って、その直後に理由を言う。」といった似非ロジカル・シンキングから抜け出すことは一生できない。

このことを自分がはじめて意識したのは受験英語だった。いまでも英語と論理力の恩師と思っている横山雅彦氏の受験対策本だ。現在では論理に特化した新書が出ているので、こちらの方が良いかもしれない。

さて、同時におそらく世界で共通言語のひとつである「論理」にも不備があることに気づく。例えば、キリスト教の価値観に依存した根拠は、多くがキリスト教徒ではない日本人には分からないということが起こりうる。つまり、それぞれが前提として持つワラントによって、同じくロジカルなシンキングを行ったとしても「合理性」が変わるのだ。面白いよね。

俺の価値観として「論理」なんてくだらないと思っている。結局は作法や言語のように、何かの目的を達成するためのツールであり、目的自体には成り得ない。そもそも俺自身がディベートをはじめたきっかけは「論理なんてくだらない」と自信を持っていえる論理性を持ちたかったという部分だった。そもそも俺は日常生活でまったくロジカルシンキングを使っていない。必要なときにギアを入れるような感覚だ。

ただ、身につけた今となっては論理力を鍛える場に身をおいて非常に助かったと感じることは事実だ。特にビジネスの場においては。論理的思考を持たないことは、決定的なディスアドバンテージにならないとしても、やはり大きなビハインドになる。先天的なる資質を持たないプレーヤーが後天的な努力として得られるアドバンテージとして、理論武装のために必須のツールだ。もちろんビジネスにおいて重要な説得力や他人への影響力はそれだけで決して決まらないけれど。

さて、論理力を鍛えるには1つしかない。それは論理を意識して、考え続け、思考を矯正するいくことのみだ。これを自分だけで練りあげていくのはかなりタフな作業だ。それでもこの三角ロジックをガイドラインに自分の思考を上手にドライブ出来るようになるしかない。

また、方法として論理は演繹法ではなく、帰納法からでしか学べない。ロジカル・シンキングの本を100冊読んでも習得は難しい。あれで理解して、演繹的に使っていける人は元からロジックを持っている人だ。それよりも、100の例題と解説のある本を読むほうが、あなたは容易にロジックを習得することができる。「なんとなく正しい」というのが自然と分かるようになっていくからだ。

一般的な社会人生活のなかで社風や価値観を排除して、純粋に論理に特化した思考を矯正してくれる環境というのはなかなか得がたい。そういった意味で、こういった100以上の例題を以て思考の検証チャンスを与えてくれる本は貴重だと思う。こういった本でもって論理を身につけるアプローチを強く薦めたいと思う。


※移行元記事
巷の『ロジカル・シンキング本』では得られない論理力を身につける方法 〜三角ロジックと帰納的トレーニング〜 - My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only はてなブックマーク - 巷の『ロジカル・シンキング本』では得られない論理力を身につける方法 〜三角ロジックと帰納的トレーニング〜 - My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only